クリスマスの風景

※2010年クリスマスおめでとう
※いろいろな方々の会話文詰め合わせ

『あなたにあげたい』
葵ヒルat葵ちゃんちの神社

「あれ? ヒルダさんよね? 何してるのこんなとこで」
「邦枝……そうかここは貴様の家だったか」
「寒くないの? そんなマントだけで」
「坊ちゃまも私も寒さは感じない。虐待だなんだと騒がれたくないから一応マントを羽織っているのみだ」
「ダッ」
「わ、中にベルちゃんもいるのね……にしても、今日クリスマスよ? 家でケーキ食べたりしなくていいの」
「よくわからんがクリスマスとは神や天使の祭なのだろう? 悪魔が祝うものではないし、坊ちゃまにも悪影響だ」
「だからってなんで外に」
「美咲様……アイツの姉君が楽しそうに準備をしていたのでな。やめろと言うわけにもいかず、家を出てきたのだ」
「……優しいのね」
「アイツは気にせずケーキだの肉だの食っておるよ。自覚が足りず嘆かわしいことだ」
「ふふっ……ねえ、でもここにいてもつまらないでしょ? プレゼント選びたいから、付き合ってくれない?」
「悩まずともアイツの欲しいものはゲーム一択だぞ」
「ち、違うわよ! 悪魔の、欲しいものなんて私わからないから」
「む?」
「あなたに、あげたいのよ」
「何を言っているのか理解しかねる。悪魔はクリスマスは」
「クリスマスプレゼントじゃなくて。うちも……ほら神社じゃない? だから他のうちみたいに大っぴらに祝えなくて。小さい頃、なんでいい子にしてたのにプレゼントもらえないのってすねてたら、おじいちゃんがクリスマスに、私が欲しがってたおもちゃ買ってくれたの。嬉しかったけどいいのって聞いたら、これはクリスマスプレゼントじゃないからいいんだって。プレゼントは何でもない日でも、あげたかったらあげていいんだって」
「……斬新なおじいさまだな」
「だからクリスマスプレゼントじゃないけど、何かあげさせて?」
「……そうか、では私も貴様に何か送るとしよう。魔界ネックレスか魔界ブレスレット、もれなく爆発するがどちらがよい」
「……とりあえず爆発しなければ何でもいいわ」

『クリスマスのシンデレラ』
姫川→由加+寧々atコンビニ前

「あっ姫川先輩じゃないッスかー!」
「あら、リーゼントじゃないから誰かと思った」
「げ、花澤に大森……お前ら何してんだよこんな日に」
「見てわかんでしょコンビニのケーキ売るバイトよ」
「へーへーご苦労なこった」
「あと一個なんスよ! 買ってくださいよー!」
「あぁ? パーティー巡りで散々食ってきたっつの」
「ええーそこを何とかお願いしますッス!」
「へえ御曹司なのにこんくらいのケーキでケチるんだ」
「……いくらだ」
「パネエ御曹司パネエ! 四千円ッス!」
「なんかコレでかくねえか」
「七号ッスからねー」
「まあいいか……カード使えんのか」
「使えるわけないでしょ」
「ちっ……わかったよこれでいんだろ」
「うわ財布ブ厚! ピン札だし! 御曹司カッケー!」
「うるせえとっとと着替えてこい」
「へ?」
「これが最後の一個なんだろ、帰れんだろうが。こんなでけえの食いきれねえから、責任もってお前がうちで食え」
「マジッスか! 超ラッキー! 寧々さん早く着替えてきましょうよ!」
「なっ……おま、」
「由加……あたしは遠慮しとく。片付けやっとくからあんただけ行きな」
「わ、わりいな大森」
「えーマジッスかーもったいないッスー。あ、アキチー呼ぶッス! バイトはできないけどケーキは食べたいって言ってたッス!」
「バカか! 呼ぶな! 足りなくなんだろ!」
「えーでもさっき食いきれないって……」
「やっぱ足りねえんだよ!」

『赤っぽいなんかアレ』
東条一派+αatおもちゃ屋の前

「狙ってたおもちゃ買えてよかったっすね」
「……弟たち喜ぶだろうな」
「付き合ってくれてあんがとな。普段あんま贅沢させてやれねえから、今日くらいは買ってやりたくてよ」
「……最近バイト増やしてたもんな」
「へへ、まあな」
「じゃーん! そんな頑張った東条さんに俺たちからもプレゼントがあるんすよ!」
「ほ、本当か!」
「大して高いもんじゃないけどな」
「いや、すっげえ嬉しいぞ! 今年はお前らもサンタだな!」
「……庄次、暗い夜道じゃピカピカの……お前のサングラスはちょっと危ないと思うぞ」
「ええっ俺トナカイっすか!? しかも勝手にみんなの笑い者扱いの上ただの注意!」
「ははっ、さっそく開けるぞ……おお、携帯のストラップか!」
「虎の携帯、携帯自体もだがストラップも相当年季入ってたからな」
「シルバーアクセの店で買ったんすよ。そのはまってる石もタイガーアイとかいうやつで、東条さんっぽいかなと思いまして」
「すげえかっこいいな! よし、さっそく取り替え…………」
「……そんな悲しい顔すんなら前の外さなくていいぞ。気に入ってんだろ」
「ウンかわいい虎のやつと並ぶとかっこよさ半減ですけど逆に東条さんっぽいっす」
「そうか!ならどっちもつける! 本当ありがとうな!」

「悪い子はいねがー!」
「禅さんそれ全体的に間違ってる」
「何してんすか先生」
「あ?俺サンタじゃねえもん。お前ら全然よい子じゃねえしな」
「……じゃあ何なんだ」
「あーアレだ、赤……赤ら顔のおっさんだ」
「禅さんそれただの酔っ払いだから」
「サンタじゃねえからプレゼントなんかやんねえけど、赤ら顔のおっさんはそこの屋台でおでん奢ってやるよ。どうせ金ねえんだろ?」
「マジか!」「ゴチになります!」「……大根がいい」
「あーあーサンタは子守が大変だぜ」
「サンタじゃないんじゃなかったのかよ」

『たぶん来年もきっと』
男鹿と古市at男鹿家

「くっそー今年も男鹿のせいでクリスマスデート失敗したぜ」
「……」
「たかちん食べてるー? ケーキたかちん好きだと思ってチョコのやつにしたからがんがん食べていいからねー」
「あ、ありがとうございまーす……」
「……古市」
「何も言うな」
「今年は邪魔してねえからな」
「うるさいうるさい俺は何も聞こえない」
「むしろ今年はうち呼んでもいねえからな」
「黙れぇえ! 俺ん中では今年も俺と女の子がちょーっといい感じかなーってとこにお前が不良のパレード引き連れて現れてデート台無し男鹿クソ野郎って設定になってんだよ!」
「設定だからな設定。実際お前今年デートしてねえからな」
「……お願いだからそういうことにしといて」
「仕方ねえなあかわいそうな古市君には特別にケーキの上のサンタをやろう。感謝したまえ」
「うう……俺サンタよりもチョコプレートがいい……ってなんでこのサンタアランドロンの顔してんだよ!」
「アランドロンが作ったからに決まってんだろ」
「呼びましたかな」
「呼んでねええ!こんなんキモくて食えねえよ!」
「おやおや、普段出たり入ったりしてる仲ですのに」
「誤解生む言い方マジやめて」「ひでえな古市。アランドロンはお前のことを気遣ってだな」
「古市様が12月に入ってからずっと『クリスマスが今年もやってくる~』とうつろな目で口ずさんでいるのを見て胸が痛みまして。微力ながら腕を振るわせて頂きました」
「……たかちん、今夜は飲みな」
「すいません気遣いがほんと痛い!いたたまれない!」

FIN…