更新:パティシエパロ神夏『Never Too Late』

どうも、久しぶりの更新です。
このお話は2011年に行ったサイト内企画『SOO!』(当時を知る方はいらっしゃるのだろうか……)で限定的に掲載していたものなんですが、今回の改装でパティシエパロシリーズを正式にmainに置くにあたって引っ張り出してきました。
再掲とはいえ、『きみはドルチェ』と今作の間に『ロマンスのスタート』と『ぜろ』を挟んだつじつま合わせをはじめとして、大幅に書き直しましたので、大昔に読んだわ! という方もぜひまた読んで下さるとうれしいです。

夏に同棲を始めた神夏が迎えるバレンタインとホワイトデーのお話です。
神崎視点→古市視点→夏目視点の3ページ構成。
↓詳しいあとがきはずずいっと下にスクロール

 

 

 

◎『Never Too Late』あとがき

このお話は特別な思い出がある作品です。
企画『SOO!』はもともと2011年3月14日に開催する予定でしたが、延期をせざるを得ませんでした。
直前の用意の最中に東日本大震災が起こり、東北太平洋側の内陸部在住のわたしも、沿岸ほどのひどい被害ではありませんでしたが数日間の停電など被災したのです。
電気が復旧ししばらくして、自分のショックも少し落ち着いてきた頃、企画の再開を考え始めたのですが、その際目玉として用意していた長編『かみさまの真意』の掲載をためらいました。読んだことがある方はお分かりかと思いますが、あのお話めちゃくちゃ暗いんですよ。しかも前半だけだったから救いもないという。
でも『かみさまの真意』を載せなかったら企画から自分のメインである神夏がなくなってしまう、そう思い、急遽何か別の神夏のお話を書こうと決めました。それがこの『Never Too Late』です。確か二日くらいで書いた気がする。
とにかく明るいお話がいいと思って書いた覚えがあります。後当時ケーキ屋さんでバイトをしていて、震災直後の非日常の状況でもケーキを買い求めてくれる方が結構いたことから甘いものの力を感じて、昔書いた『きみはドルチェ』の続きにしたんだと思う。
タイトルは、復興には物理的にも精神的にもとても時間がかかるので、焦らないで、でも忘れないで、という気持ちを込めて『遅いということはない』=『ずっと待ってる』というような意味合いでつけました。タイトルが決まったら自然と内容も決まった気がします。

ハイ! まじめな話おしまい! ここからは内容に関するあとがきを箇条書きでつらつらとやっていきます。

(神崎視点)
・ざる=酒にめっぽう強い、って今の若い子に通じる言葉? 最近聞かないので……。
・九年前と今ではキャラ観というかブームが違って、当時は夏目が微妙にズレてる宇宙人みたい、というのがツボでした。ちなみにサイト初期はきもちわるい夏目がブームで、今はわりとふつーの子、という解釈です。
・改訂前はお店のチョコを出す時、「お茶請けあるよ」「お茶請けってばあさんかよ」「一やチョコだよお食べ」みたいなやり取りがあったんですが、何か嫌だな、と思って消しました。おふざけに関する趣味も九年で変わっている。
・お兄さんのチョコを食べるくだりは総とっかえというくらい書き直しました。
・わたしハートモチーフ好きだな(『きみはギフト』参照)。夏目はハートが嫌いなのに……。
・『ロマンスのスタート』の時もしみじみ思ったのですが、パティシエパロシリーズは神崎君が夏目にぞっこんで書けるので楽しい。原作軸だとどうしても夏目→神崎君の方が好き好きになってしまうので。

(古市視点)
・冒頭のミスの連発のところ、バイトしていた頃を思い出してうわあああとなりました。これからバイトなり仕事なりを始める若い方(ここ見てる?)、ミスは本当になぜか続く時は続くので気をつけて下さい。
・Brise de printempsという名前ではありませんでしたが、ラベンダーの蜂蜜のムース、わたしが働いていたケーキ屋さんにありました。花の香りが独特で、わたしは好きだったんだけど、すぐに店頭からなくなってしまった……。
・ていうか『きみはドルチェ』のオレンジのショートも『ロマンスのスタート』のシャンパンのムースも『ぜろ』の水出しコーヒーのブランマンジェも全部あったよ。今はシェフが変わって商品もみんな変わっちゃったけど。諸行無常。
・改訂前、夏目の鎖骨がきゃしゃという描写があって、当時は受けちゃん天使フィルターがかかっていたんだな……と遠い目をしました。
・途中まで普通に『古市君』って打ってて、気づいて慌てて直しました。『古市っちゃん』にいまだ全く慣れない。
・今こそ浸透した感のあるマカロンですが、当時は「これ何?」「小さいのに高くない?」と聞かれまくった思い出があります。「かふかふした外側にクリームが挟まっています(説明下手)」、「見た目よりずっと食べ応えがあります」と何度答えたことか。

(夏目視点)
・神崎君が淹れてくれた紅茶はマリ〇ージュフレール。美味しいよね。
・ケーキ屋知識はそこそこあれど(ただ作る方は全然わからない)、ホスト知識はほとんどないので、ヒプ〇シスマイクのホストの子の歌を聴きながら頑張って想像しています。
・ホストクラブ、友達と一回だけ一緒に行ったことあるんですけど、初回なのでいろんな人がたくさん入れ替わりでやってきて、そのたびにどういう友達なのかとか趣味は何なのかとか再度説明しなきゃならなくて面倒だった。裏で共有してくれ! と思った。安いところだったからな。
・姫ちゃん古市をはじめとしてシェフのBLにとても理解のある職場です。
・姫ちゃんをBLアドバイザーとして便利に使い過ぎなのでいつか主役でめっちゃかっこいい話を書かなきゃならないと思っている。
・でもべるz界で一番BLアドバイザーとかちょっかい役とか当て馬とかやってるのたぶん夏目だと思う。

長いあとがきをここまで読んで下さってありがとうございました!!