更新:神夏長編『愛することのすべて』27歳

こんにちは、ふじえだです。
9月5日、今日はわたしの誕生日です。『愛すべ』の最終話をアップするのが9月と見通しが立った時から、ぜひに誕生日に上げようと決めていました。めでたいから。
高校時代連作短編4話、卒業後長編10話の14話も続いたこのひとつながりのお話もほんとのほんとにこれで終わりです。
書き上げられるのか半信半疑で始めたし、実際途中書けなかったり筆を置いたりした期間もあったのですが、神夏への愛と創作への思いとみなさまのまなざしによって何とか完結させることができました。本当にありがとうございました。
正直まだ終わった実感が湧きません。来冬にこの神夏長編とおがふる長編『きみはギフト』を同人誌にする予定で少しずつ動き出しているので、たぶんそれが完成した時にやっとどっと実感が襲ってくるのだと思います。

さて最終回は、組に入る&家族になるとふたりで交わした約束を現実のものにしていくお話です。
↓詳しいあとがきはずずいっと下にスクロール

 

 

 

 

◎『愛することのすべて』27歳あとがき

21歳から25歳まで半分以上の回が一万字を超えているこの長編なんですが、復帰してからというものの、がくっと文字数が進まなくなりました。長ければいいというものではないし、自分としては書き方を変えている気はないので、展開上のものだと思うのですが(26歳から27歳にかけて、最終回を三話に分けてやっているような感じ)、なんで? と頭にはてなマークを浮かべながらの執筆でした。
以下、内容に関わるあとがきを箇条書きでつらつらとやっていきます。

・コンパスで地図(さすがに世界地図ではなかった気がするけど)を囲み、どこにでも家建ててやるっていうの、何の漫画でしたっけ……元ネタが思い出せない。
・神崎君の部屋がドッジボールできるくらい広い、は原作で男鹿が言ってた。
・姫ちゃんと神崎君と夏目、三人の絶妙な性格の違いの関係が好き。
・最初神崎君→姫ちゃんは「お前も早く幸せになれよ」みたいなこと言わせようかと思ったんですけど、恋愛だけが幸せじゃないし、今まで姫ちゃんのそういう事情は書いてこなかったんだからとやめました。この長編の世界線の姫ちゃんのそっち関連に関しては想像にお任せします。
・神夏なのにこんなに神崎君と姫ちゃんのシンメ感を描いているのも珍しいんじゃないだろうかと思う。辛いけど否めない。
・今回のお話の中で一番難航したのが城ちゃんの場面でした。
・よかったと感涙するのも神夏に説教するのもありそうでいて違って、何晩も考え続けた結果、ある朝方にハッと「あ、どうでもいいんだ」と気づきました。
・ある程度歳のいった男の親友のリアルみたいなものが描けたかな、と思います。
・腹のすわった夏目母(ねつ造)、20歳ぶりに再登場です。
・モー娘。の『ハッピーサマーウエディング』を聴きながら書きました。飯田圭織が好きでした。
・この場面の最後で夏目母がハンカチで目元をぬぐうのですが、さめざめと泣くのではなく、きっと笑った拍子に涙がこぼれたみたいなイメージで書きました。
・結局最後まで全く夏目父のイメージが湧かないまま終わってしまった……。
・盃事は調べまくりましたー。やくざの養子縁組の盃事の情報は全然出てこなかったので(そりゃそうだ)結婚の神前式の感じにしました。
・おがふるはタキシードでしたが、神夏は羽織袴で。神崎君て何で金パなのにあんな和装似合いそうな雰囲気あるんだろう……。
・10年間を描く長編、のはずが半端な9年間になってしまったのですが、最終的に三三九度の口をつける回数と合わせられて、ちょっと回収できたようなできてないような。
・古いブログでわたしは「ばいばい、神崎君。」で無限にご飯が食べられるし、そういうお話をたくさん書いてきたと書いたんですが、本当はずっと、夏目がそれまでの夏目にばいばいするお話が書きたかったんだなと思いました。『恋はミルフィーユ!』がそれになる予定だったのですが、途中で頓挫してしまったので。
・何というかはかなげな、眼を離すとどっかへ行ってしまいそうな人が地に足をつけて生きるというのはわたしの中でずっと大きなテーマでした。今回やっと書き終えられて本当にうれしいです。
・ここまででふり返ったら全然今回神崎君と夏目がふたりで話をする場面がなかったので、最後足すことにしました。
・この回は2017年なんですが、周辺の年に流行った歌を調べていて、たまたま『トリセツ』に行きあたって。
・ちなみにこの頃一番流行っていたのは星野源の『恋』です。
・わたし、2010年に初めて書いた神夏長編『エコー』でも西野カナの『会いたくて会いたくて』をネタにしてるんですよ。超好きってわけでもないんですけど、すごい偶然だな西野カナ。
・神崎君の乗る車には後部座席にヨーグルッチと保冷剤が詰まったクーラーボックスが置かれます。それを用意するのも舎弟の仕事です。いつでも冷え冷えヨーグルッチ。
・慎太郎の『トリセツ』を書きながら、わたしは本当にこの子のことが好きだなあと思いました。
・最終回の最後は観覧車へ行こう、で終わろうと最初から決めていました。

・高校時代連作短編『恋すべ』とこの長編『愛すべ』をまとめた同人誌の書き下ろしは、ずっと見守り続けてきた二葉ちゃん目線の神夏の予定です。

長いあとがきを、そして長いお話をここまで読んで下さって本当にありがとうございました!!